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2006年5月25日 (木)

・・型の魔法・・染めの技術・・・

今までかなりわかりやすく噛み砕いて説明してきましたがやはりすべて文での解釈は限界があるのではないかと思いました。そこで、刷りだけですが一連の流れを見ていただこうと思いました!写真でどのようにして柄が出来上がっていくのかってのを説明しつつ、型の持つ力、友禅染めの力を感じていただければいいなって思っています。写真をクリックしてみていただけるとよりわかりやすいと思います。

※これはTシャツで、実際に商品として売られているものです。はっきり言うて無断での掲載なんで苦情があれば即削除します。尚、無断で複製やコピーを禁止します※

Nec_0070 まず、無地のTシャツです。シャツの間に板を挟みくっ付けてあります。シワを伸ばしてしっかりと引っ付けます。着物を染める際での「地貼り」にあたります。

Nec_0067 レイアウトを決めて1枚目の型で「星取り」をします。

型には2箇所、対角線上に星の穴があります。

Nec_0068

テープの位置に星が下りています。

左肩と右の裾あたりです。

テープを貼るのは生地を汚さないためです。星は柄としては不自然で小さくても目立ちます・・・

Nec_0069 こんな感じです。対角線上に2箇所下ろしておくと狂いません。この星を目印にして型を置き色を刷り込んでいきます。しっかり合わせて型を置き刷っていかないと柄がずれたりして後々大変なことになります。

Nec_0067_1 再び1枚目の型を置き刷っていきます。着物の生地はシルクですが、シャツは綿なんで使う染料が違ってきます。工程終了後「空蒸し」をしますがバインダーと呼ばれる顔料を使い染めていきます。前回紹介した金のりのような感じで樹脂系の染料です。水で色落ちは多少しますが洗っても完全に取れません。

Nec_0066 こちらが1枚目を刷り終わった状態です。なんのこっちゃさっぱりわかりませんね。

黄緑色をした染料を軽く刷った感じです。

Nec_0065 2枚目が刷り終わりました。輪郭が出てきます。1枚目の型と同じ色を使ってます。なぜこんな作り方になってるのかというと、型の強度、手染めの味、などがあります。重なる部分は多少濃くなり濃淡が出ます。

Nec_0064  3枚目を刷り終わった状態。薄いグレーで鱗を表現しています。

1枚目は軽めに刷りました。少しだけ尾の部分を濃くしたりします。

Nec_00634枚目を刷り終わったところです。3枚目と同じ色ですが濃い目に刷って雰囲気を出しています。見た感じものっぺりせず、色の変化もありいい感じだと思います。この辺りから作り手のセンス、感性が出てきます。どのように作るかは自由なんで自分が良いと思うように作ればよいのです。

Nec_0062 5枚目を刷り終えたところです。腹と背中の型です。

薄いグレーで軽く刷ってあります。

Nec_0061 ここでも工夫します。同じ型で腹の部分だけ青色でボカシを入れてみました。こうすることによってより鮮やかでかっこ良くなります。この選択も自由です。してもしなくてもいいんですが、手間を加えればいい物になるということなんです。

Nec_0060 同様に6枚目の型でも同じようにしました。柄が繋がってきます。1枚の型で作ると腹の線はでないことがわかりますか?

2枚1セットだからこんな感じになるのです。

Nec_0059  7枚目です。もう何の柄かわかってきましたね!糸目の型ですがここでも工夫します。全体的に薄く刷ってあるだけなんですが・・・

細い線の型を糸目の型といいます。

Nec_0058

こちらは7枚目、8枚目が終わった状態です。比べていただくとすぐにわかりますが、爪、顎、尾の部分を濃く刷ってあります。こうすることにより柄が立ってきて見栄えがします。ボカシの応用です。

Nec_0057 9枚目。次は炎というか雲というか・・・この型も2枚1セット。根っこからボカシしたり、先っぽからボカシしたりします。その方が雰囲気がでます。

Nec_0056 10枚目が刷り終りました。このように繋がってきます。

躍動感がありますよね!

Nec_0055 11枚目、最後の型です。目、爪、などに金色が入ります。糊なんですが刷ってます(汗) 輪郭などかすかに光るように金が入っているのがわかるでしょうか?※普通は糊はこまべらを使います。

これで型での作業は終わりです。

Nec_0054 突き針で目を描きます。命を吹き込んでやります!!位置によって表情がかわるので結構気を使います・・・

Nec_0053 こんな感じになりました!

手、震えてます(-_-;)

他に手直しできる所はこのときに全て終わらせてしまいます。

Nec_0051 樹脂系の染料を使うと型も痛みが早くて固まると取れなくなるので使ったらなるべく早く洗うようにします。

Nec_0052 最後に刷毛の抜け毛をピンセットで取り除いたらできあがり!!

後は業者さんにお渡しするだけです。

このシャツは白地で、後、ピースなどで加工したりします。そして、空蒸し、水洗、タグ付けが終わりちゃんとした商品になると店頭に並びます。

この龍の柄は「懐kai-ko」というブランドのものです。東武百貨店や近鉄百貨店、他においてあります。この柄に関してはすべて私が描いています。今回無断で使用したのでちょっと問題アリかもしれませんが、友禅染めの流れがどんな感じかわかっていただけたんではないでしょうか?

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糊~③~

今回のはちょっと簡単に紹介しておきます。

Nec_0046 こちらは一般的な友禅糊です。

色が付いていてその色に染まります。防染剤は入っていないんで糊が薄い色で濃い地色で染める場合は伏せをしないと通してしまいます・・・

長く使わずに放っておくとカビが生えたりします(-_-;)これからの時期、要注意です(汗)

Nec_0050 こちらは「金のり」と呼ばれるものです。文字通り金色です。

我が社で使ってる金のりは今まで紹介した「糊」とは全く異なり、樹脂系です。つまり蒸しをしなくても生地に食らい着きます。樹脂系ということで、「白のり」以上に詰まりやすく洗っても取れなくなります。目詰まり厳禁なので気をつけなければなりません・・・

Nec_0044 こちらは通称「レーキのり」 あの「ゴフン」の糊版です。

通常は冷蔵庫に保管してあります。「ゴフン」といえば強烈な臭いが特徴ですが、こちらは無臭!!!使ってても気になることはないです。

もちろん白く染まります。ただ地色が付いている場合はぼんやりした上がりになります。

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